はじめてのじっせん

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  「そんなに信じられないのなら確かめてみなよ」 そう言って、俺は爆弾だった物を投げる。 「「ばっ――!」」 投げられた爆弾だった物を見て、父さんとリーダーの顔が一気に青ざめた。 リーダーの方は仮面を着けているので青くなったのが分かったのは父さんだけだが……。 俺が投げたそれは弧を描いて父さん達の所へと飛んでいく。 父さんがリーダーの取り押さえている手を離して、爆弾だった物を取ろうと行動を起こす前に近くに居た母さんが父さん達の前に割り込んで爆弾だった物に衝撃を与えないように体を優しく受け止めた。 「…ふぅ…」 「トゥーナ、無茶しないでくれ」 「…ジュンは…彼を取り押さえてるから…」 「そりゃ、そうだが……。 それより、レイト!爆弾を投げるなんて何考えてんだ!」 父さんが此方を睨みながら怒鳴る。 後ろの三人がビクッってなった。 「心配しなくてもそれは起爆装置も火薬も入ってない只の外装だよ、父さん。 その辺のヤツは此方に有るからさ」 俺はそう言って、疑似ボックスからあの爆弾の中に入っていた起爆装置を取り出して父さん達に見せる。 「いや、見せられても分かんねぇよ。 つーか、そういうことは投げる前に言えよ」 父さんはそう呆れたように呟いた。
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