はじめてのじっせん

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  「はぁ……。まぁ、今はいいか……。 トゥーナ、それ貸してくれ」 「…うん…」 父さんは小さくため息を吐くとボソッと何か言った後に母さんから爆弾の外装を渡すように言い、それを受け取るとその外装をリーダーの顔の前に置いた。 「んで、コレがお前の部下達が仕掛けようとしていた爆弾で間違いないのか?」 「……あぁ、確かにコレは俺が部下達に何処かに仕掛けてこいと言った爆弾だ。間違いない」 「なんだ?今度はやけに素直だな」 「切り札を無くした以上もう俺達には何も出来ん。 抵抗した所で全て無駄だという事くらいは理解している。 聞きたい事があれば聞け。 知っている事は話す」 「そうか。それで?同じタイプの爆弾はコレの他にもまだあるのか?」 「いや……爆弾はそれ1つだけだ」 「そうか。じゃあ、今回の襲撃は終わりって事でいいんだな?」 「一つとして目的の達成は成し得なかったがな」 「俺達としてはそれが一番望ましい結果なんだよ」 「だろうな」 小さく笑うリーダーを父さんはやって来た二人の騎士に引き渡した。 二人の騎士に挟まれた状態でリーダーは此方に歩いてきた。 俺達は通行の邪魔になるだろうと思って右側に避けたが、歩いてきたリーダーは俺達の前で立ち止まった。 騎士達が立ち止まるなと声を掛けるが、それを無視して俺達の方に視線を向いた。 いや、正確には俺に向けた。 「お前は何者だ?」 「レイト=ウェーバー。 それ以外の何者でもないよ」 「ククク、そうか」 そう言って、リーダーは歩き出した。 「何が『レイト=ウェーバー。 それ以外の何者でもないよ』だ」 リーダーの後に続くようにして連行されていくテロリスト集団を眺めていると後ろから父さんの声が聞こえ、その直後頭に衝撃が走った。 「いてぇぇぇぇぇ!?」 頭を押さえてその場に踞る。 イグニスの気持ちが何となく分かった。 コレは痛い。 「父さん!何するんだ! うっ……」 頭を押さえたまま振り返るとだいぶお怒りな様子の父さん達が立っていた。 珍しい事に母さんも怒っているようだ。 「言い訳があるなら聞くが?」 「すんませんでした」 その後、俺達四人は勝手に居なくなった事をテロリスト集団が連行されていく横で物凄い怒られた。
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