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朝の占いの結果に反して、今日という1日は朝一番にアイツ等に遭遇した事を除けば実に平和的な1日だった。
まぁ、そんなこんなでキンクリでも使ったかのように時間は過ぎ去り、いつの間にか放課後だ。
あー、このまま1日が終わってくれたりしないだろうか。
「零斗、一緒に帰ろう!」
「早く!」
HRが終わり、今日の1日の学業から解放されたクラスメート達がこの後の予定についての話題で、がやがや、ざわざわと騒々しくなった教室に優希の朗らかな声と桜の急かす声が響いて、一瞬でクラス全員の視線が俺に集まる。
やっぱり、そう上手くはいかないか。
「お前等、あのよくわかんねぇ部活はいいのかよ?」
この学校の理事長の娘でアニメ、ゲーム大好きオタク系残念美少女が作った恋愛探究部とかいうどっかのギャルゲーみたいな胡散くさい部活わよ。
「今日から休みなんだよ。
テスト期間に入ったから」
「あー、そういえばそうだったな」
実にめんどくさい。
あんな物はノートをテストの前の日に別のノートに丸写しすればある程度の点数は取れるっていうのに……あんまりオススメ出来る方法ではないが。
教科が多かったりしたら手が回らねぇし。
「零斗!」
「ヘイヘイ」
桜がもう一度俺の名前を呼んで急かす。
俺はため息を吐くように返事をして、鞄を手に取って、二人の元へと向かった。
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