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クラーケンを倒してから数分後、俺の目の前にはクラーケンが現れる前とほとんど同じ光景が広がっていた。
唯一違うのは、またクラーケンみたいな海に棲んでいる魔物がやって来ないように浜から100mくらいの場所に迎撃用の魔法が幾つか設置されたことくらいだ。
とはいえ、一度魔物が出たにも関わらず普通に海に遊んでいる辺り、此処の連中の精神の図太さは計り知れない。
でも、倒したクラーケンを水の中から引き上げて、たこ焼きにでもしようと思って、それを実行に移そうとしたときには、アウラ達を含む女子生徒達に全力で反対された。
理由はキモいからだそうだ。
魔物が出た海では遊べるのにそういうところはしっかり女子らしい。
そのせいで、クラーケンはこの辺りに居るであろう魚達の餌になってしまった。
「あーぁ、クラーケンのたこ焼き食べてみたかったなー」
「……レイト、まだそんな事言ってるの?」
「お兄ちゃん、いい加減諦めなよ」
クラーケンが出る前と同じようにビーチパラソルの下で寝転んでいる俺は未練がましく呟くといつの間にか近くまで来ていたアウラとマリーが呆れたように言ってきた。
「なんだよー。お前らが反対するから食べられなかっただろー」
「……だって、ウネウネ気持ち悪い」
「そうだよ!」
「普通のたこ焼きは好きなクセに……」
「……たこ焼きのタコはウネウネしてない」
「そりゃ、刻まれてるからね。バラバラに」
「お兄ちゃん、クラーケンたこ焼きの事は諦めて、私達とビーチバレーしようよ」
「また唐突だな」
「言うタイミングを逃しちゃって」
後頭部に手をやって苦笑いするマリーに俺はため息を吐いて、起き上がる。
「まぁ、いつまでも寝転んでる訳にもいかないしな。やるよ」
俺がそう言うとアウラとマリーは顔を見合わせて笑い、右と左それぞれの手を取って、俺を連れ出した。

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