第2打席☆ミライゲーム☆

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●○●○●○●○●○●○●○●○ 「あー! さつきちゃん! この前、急にいなくなっちゃうから私、すごく心配……」 「ごめん! なんか忙しそうだったから……」 この前と同じグラウンドの隅にさつきを見つけ、宇佐美ちゃんが駆け寄ってきた。 彼女は今にも泣き出しそうな顔で、さつきをじっと見つめてくる。 「あんなに具合悪そうだったのに……。本当に大丈夫だったの?」 「ちょっとした貧血みたいなもんよ。暑さにやられたって言ったら、この程度で? って佑哉にバカにされたわ」 さつきが笑うと、宇佐美ちゃんも少し安心したようだった。 本当にいい子だ。 たいして親しくもない自分を、こんな風に心配してくれるなんて。 心配してくれる人がいる、それだけで人は幸せなのだとつくづく思う。 「あの……さ、さつきちゃん。もし私なんかで良かったら……おしゃべりしたり、その……色々しようよ。無理にとは言わないよ。少しずつでいいから……」 (はい? 何それ) 心配と言うより、告白っぽい雰囲気を醸し出している宇佐美ちゃんに、ちょっと戸惑う。 「う、うん……もちろんだよ。なんか改まって言われると変な感じだけど。あたし、宇佐美ちゃん好きだし、これからもたくさんおしゃべりしよう」 「良かった! じゃあ、また練習も見に来てくれるよね」 さつきがうなずくと、彼女はホッとしたように微笑んだ。 「そうだ、金曜日の放課後にね、東南の中等部が練習試合に来るんだって!」 「え? そうなの!」 さっそくきたか。 いずれチームメイトになる佑哉を、品定めに来るという事だ。 でもよりによって、こんな不調の時に大丈夫だろうか。 「きっと佑哉君の実力を確かめにくるのよね。その日も見に来るでしょ?」 「え……うん。もちろん……」 なんだか少し、不安。 でもいい機会ではある。 甲子園出場の常連校、東南高校野球部の予備軍でもある中等部のチームは、当然実力もあるチームだ。 レベルの高いプレーを目の当たりにすれば、佑哉の向上心も高まって迷いもなくなるかもしれない。
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