第3打席☆スイッチプレー☆

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○●○●○●○●○●○●○●○● さつきが来ている。 こんな自分を見せたくはなかったのに。 遠くても、あいつが心配そうにこちらを見ているのがわかる。 佑哉が目を伏せて守備位置につくと、キャッチャーから「いくぞ!」と声が掛かった。 メンバーがそれに応える声は、不安と困惑が入り混じっている。 (こんなんじゃダメだ……。 いや、これは俺の責任だ。俺がみんなの足を引っ張っている。試合中なのに、どうしてもあの事が頭から離れない。しっかりしろ俺!) 佑哉は雑念を振り払うように頭を振った。 「タイムお願いします!」 突然、キャッチャーがタイムを申し出た。 ピッチャーの元に駆け寄り、内野陣にも手招きをする。 マウンドに選手が集まると、それぞれが気遣うように、佑哉をちらと盗み見た。 「ごめん、みんな……。俺、誰かと代わった方が……」 「……殺される」 キャッチャーの山城が呟いた。 佑哉が、え? と顔を上げると、他のメンバーも、うんうんと頷く。 「やべぇよ……。竹本が休んでる間に、佑哉にこんなプレーさせたまま、なんのフォローもできずに負けたなんてバレたら……」 「そうだ。あいつキャプテンの権限でランニング100周とか言い出しかねない」 「そうっすよ。俺なんか完全に瞬殺です。キャプテンの代わりにセカンドにいるのに佑哉先輩のカバー、全然できなくて……。すみません、先輩!」 思わぬ仲間の言葉に、佑哉は声を失った。
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