第1打席☆チカクテトオイ☆

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「だめだよ、落ち着いて。佑哉なら絶対打てるから……!」 その声も虚しく、佑哉は第2球、見え見えのカーブに手を出した。 「バカッ! なんであんなのに反応……!」 完全にタイミングを外され、バットが宙を泳ぐ。 かろうじてボールの縫い目を擦ったが、それはピッチャー前に頼りなく転がった。 それでも佑哉は一塁に向かって全力で走る。 まるで自分を責め立てるかのように、がむしゃらに……! (え……? でも、速い!) 打ち取ったと思い込んでいたピッチャーが、慌ててボールを素手で掴んだ。 さつきの組んだ両手に力と祈りがこもる。 「行っけーーー! 佑哉ーーーっ!」 「──ゲームセット! 試合終了!」 主審の両手が大きく挙がった。 反対側の応援席がワッと歓声を上げる。 周りがやれやれと帰り支度を始めても、さつきは整列と礼をする佑哉を見つめたままだった。
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