第1打席☆チカクテトオイ☆

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 次の言葉が出ない様子の佑哉を、さつきはいたずらっぽく覗き込む。 「だーって佑哉、ごまかすのとか下手くそじゃん。早くすっきりして、自分のプレーができるようになるといいね」 そう言うと、さつきは佑哉の横をすり抜け、出口に向かって歩き始めた。 「え、おい! もう道も暗いぞ。ちょっと待ってろよ、あの……家まで送って……」 慌ててベンチに戻り、帰り仕度をする佑哉を置いて、さつきはグラウンドを出た。 「気持ち悪うー! やめてよそんなの。じゃーね佑哉! また明日も、このさつき様がフォームチェックしてあげるからねー!」 スカートを翻し、小鹿のようにさつきは公園の小道を駆けていった。 「さつき……」 残された佑哉は、バッグに詰め込んだスポーツタオルを握り締めたまま、ただその後ろ姿を見送っていた。     
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