黒猫の迷い子

ﾌﾟﾛﾛｰｸﾞ

皆が賑(にぎ)わう公園

｢あらあら、空(くう)ちゃんそんなにはしゃいだらお気に入りの服が汚れちゃうでしょ？｣

優しく微笑む女性

その見つめる先には真っ黒の服を着た子供がいた

｢や～！あそぶのぉ！｣

空ちゃんと呼ばれた子供は猫の着ぐるみの様なものをきている

むぅ～っと不貞腐(ふてくさ)れながらボールを持っている

｢もう……。あと少しだけよ？｣

｢ありがとぉおかあさん♪｣

顔は前髪に隠されていて表情はわからないが、
口元が笑っているので喜んでいるとわかる

｢そぉれ！！｣

子供はボールを高く上げ投げた

するとボールは弧(こ)を描(えが)き道路に出た