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「っう・・・重いっ!!肺が、呼吸がっ!!」
ズシリッと重みを感じる
俺の上には既に砂の城が出来上がっていた
「は、颯斗さん?大丈夫ですか?」
「だ、ぃじょぅぶ・・・じゃ、なぃ・・・っ!!し、ぬっ」
吹雪だけが俺を心配してきてくれる
他の奴らは何故か写真を撮っている、しかも知らない人まで撮ってるし!!
「颯斗さん・・・ゴメンね。僕、役に立たなくて」
吹雪は落ち込みながら悲しい顔で俺を見下ろして頭を撫でてきてくれた
その行為は嬉しいが、助けてくれる方が何倍も嬉しいです
「べ、つに・・・ッ吹雪が悪いわけじゃ、なぃ、から・・・そんな悲しい顔するなっ」
あぁ、この時手が自由に動けてたら・・・吹雪の頭撫でてやれんのになぁ
「うん。ごめんね・・・」
そう言ってまだ頭を撫でてくる吹雪
つか、何?この男同士でのやり取り・・・
「颯斗っ!!お、俺も本当はやりたくなかったんだぞ」
皐月は少し焦りながら俺の横に座り、真剣な顔で言ってくる
いや、お前が一番面白がってたじゃん
そう思いながらも「そうか、こんな事やらせて悪かったな」と言った
それを言った後、皐月はすっごい笑顔満点でへへ、と笑ってきた
あぁ、煩くなかったら可愛い弟みたいなのになぁ
「じゃ、そろそろ先輩を開放しますかねぇ」
そう言って安田くんは俺の上に作られた砂の城に手をかけ、崩し始めた
そして、体の重みがなくなりようやく立ち上がると、体中が砂だらけなので海で砂を流した
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