5章

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―馬鹿side―     何故、いつも・・・   貴様は私の前を歩くのだ?     私の後に生まれてきたのにっ!!なぜっ!?         ――――――――――― ―――――――― ―――   自分が2歳の頃に弟が生まれた   その頃のことはあまり覚えてないがとても嬉しがっていたそうだ     自分と弟は凄く仲が良くいつも隣には弟がついていた   両親もそんな自分たちを同じくらいの愛情で育ててくれた     そして、自分が小学3年になり弟は1年になった    その頃から弟の学力は素晴らしく、認めたくはなかったが確かに弟は自分よりも優れていた  最初はそんな弟を褒めていたが ある日をきっかけにそれが変わってしまった     ビリビリッと破り捨てられていくテスト用紙   「何故先に生まれたお前がアイツより劣っているのだ!?」   初めて自分の父親から怒られた   その日から両親は自分より弟へ愛情を深く注ぎ込んだ   そしてついには・・・自分ではなく弟を後継者に選んだ。   自分は憎んだ・・・自分より優れている弟を   何も知らないアイツが笑顔で駆け寄ってくるのを見るとイラついた   「兄ちゃん!!見てっ俺また100点とったんだ」   そんな物見せるなっ   「兄ちゃん!!聞いてっ俺また父さんに褒められたんだ」   そんな事聞きたくない!!!   「うるさい!!!貴様に兄と言われたくない!!」   そう言ってその日から自分は弟を避けるようになり、弟も自分を『兄』とは言わなくなった   そして自分は弟より上に立つことに執着し、必死に勉強もした だが、いつになっても弟には適わなかった     そんな私の努力も知らないで   私より先を呑気に歩いているアイツが嫌いだ       目の前を歩いているアイツが消えてしまえば 私は両親からあの時のような愛情を向けてくれるかもしれない            あぁ・・・     目の前のやつは、いつ       死んでくれるのだろうか?          ―馬鹿side終―    
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