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プロポーズの翌日、私は家の郵便受けに、見慣れた真っ白な手紙が入っているのを見つけた。それには宛名も差出人も書かれていない。この手紙は、私に仕事を与えるもの。
私は中身を見て、言葉を失った。なぜなら、なかに入っていた写真に写っていたのは、透き通った銀髪に、澄んだ泉のような蒼い目の男。
「ア、アダム……」
私の心をを照らして暖めてくれる、私の最愛の人。
いつか、この日が来ることはわかっていた。私の仕事の大半は、敵対組織の上官の消去。彼の軍服には、幹部の証である、金糸の刺繍があった。
私が彼を消さなくても、他のやつらが彼を消してしまう。なら、せめて私の手で、彼を終わらせてあげたい。彼も、知らない人じゃなくて、愛した者に消される方が、幸せだろうから。
私は彼に電話をかけ、昨日、彼がプロポーズをした場所、私たちが初めて出会った場所に来てもらうことにした。そして私は家を出る。愛用の銃に、二発の弾丸をこめて。
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