秋の日

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最後に残った母の形見の服をはぎ取られる。 強い日差しからも冷たい雨からも私を守ってくれた 心強い服をはぎ取られ、私も仲間達も丸裸にされてしまった。 服だけでなく、ガリガリと皮までも削られてしまった私たちは 今度は冷たい水の中に沈められギチギチと押しつぶされた。 地獄のような責め苦がやっと終わり 冷たい水の中に取り残された私は周辺の異常に気が付いた。 冷たかった水が暖かくなってきたのだ。 「良かった。やっと終わったんだ」 安心した私の周りでは仲間達もほっとしているようだった。 しかし、地獄はまだ終わっていなかった。 暖かかった水はその温度をどんどん上げていったのだ。 正気では耐えられないほど温度が上がった水は 熱湯と言えるまでになってしまった。
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