秋の日

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私たちはすっかりふやけてしまった体を寄せあった。 「なぜこんな目に遭わなくてはいけないの?」 「私たちが何か悪いことをしたの?」 「あの頃はいつか私たちもお母さんのように かわいい子供達を育てて幸せに生きて行けるのだと思っていたのに」 涙ぐむ私たちは集団ですくい上げられて大きな入れ物に入れられた。 「やめて、もうやめて。私たちを助けて」 叫びも虚しく私たちは噛み潰されてしまった。 最後に誰かの声が聞こえた。
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