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「はぁ…」
課題に集中して取りかかっていた楓華は、んーっと伸びをする。
「あれ…?」
時計に目を向けるとすでに9時を回っていた。
「うそ、もうこんな時間!?」
ガタッと立ち上がり、終わらせた課題を片付け、急いで自室へ戻る。
…あれ?小塚先輩は…?
自室から出て、リビングを見回しても、小塚の姿は確認出来ない。
玄関の方へ向かい、靴を見ても、自分の靴がポツンと小塚の帰りを待っているだけだった。
「…まだかなぁ…」
しゃがんで自分の靴を見つめ、あなたも待ってるの?さみしいね、と話しかける。
言葉にして、はっとした。
…そっか、さみしがってるのは私か…
どれだけ待っても開く気配のないドアに、楓華のため息だけが響いた。
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