十二章(暗殺)

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「サーシャ殿、先ほどの言葉は訂正しましょう。貴女は文句無しに一級の剣士だ」 「では私も行かせてもらえますね?」 「それは……」  ミゲルが再びジェネラスの方を見た。  今度はジェネラスが困る番であった。  こんな危険な任務にサーシャを加えるワケにはいかない。  が、かと言って、ここで行かせなければ、何のために試したのか? ということになる。  ジェネラスはもとより、打ち合ったミゲルの立場も無くなってしまう。 「う~む……」  ジェネラスが渋い顔で唸る。 「仕方のない人だ……」  アーサーがちらりとサーシャを見てからジェネラスに歩み寄る。 「ジェネラス公、私がこの命に代えてもサーシャさんをお守りします」 「ううむ。仕方が無い。サーシャさん、絶対に無理をしてはならぬぞ」 「足手まといにはなりません。行かせてください」  サーシャの瞳が強く輝いた。  「ミゲル、アーサー、サーシャさんを死なせるなよ」  ジェネラスが言うと二人は大きく頷いた。 「サーシャ殿、私が危険だと判断した場合は貴女に一人で引き返してもらうやもしれぬ。その時は絶対に指示に従って頂きたい。それだけは約束して欲しい」  ミゲルが言うとサーシャは鮮やかな笑みを浮かべた。 「隊長の指示に従うのは当たり前です。今から貴方の部下として扱ってください」
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