第2話 孤児院

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 その状況に幼児の『俺』が耐えられるはずも無く。    『俺』は腹の底から泣き叫んだ。  そして『俺』の行動は更なる連鎖を引き起こしたらしい。上で女の子が大きな、よく響く高い声で泣いているのが聞こえた。  大方、あの栗色の髪の女の子だろう。  突然の大きな床抜け音、さらに『俺』の泣き叫ぶ声。どれも幼い子をビックリさせて泣かすには十分な要因だ。  そして他の子の泣き声も聞こえてきた。最早、部屋の状況としては阿鼻叫喚に包まれた、ある種の地獄と言って差し支えないだろう。  これ収拾つくのかな…。  少しの間をおいて、慌ただしく走る音、そして乱暴に開けられたドアの音が耳に入ってきた。おそらく孤児院の大人達だろう。 「みんな!どうしたの!?」  焦りと心配がこもった大きな声。この声は女性のものに違いない。  続いて他の大人達の声。皆それぞれが心配で、子供を泣き止まそうと必死に声をかけているのが床下からでも分かる。  大人達の慰めが功を奏したのか、徐々に泣き声が小さくなっていく。  うん、それはいいんだけど…。  早く『俺』を発見してほしい。リアルに早くしてくれ。泣きすぎて、今、完全に沈黙状態になってるんだが。  放置プレイとか本気で笑えない。  そんなことを考えていると、大人達はようやく穴の存在に気付き、そこにいる『俺』をみて騒いでいる。  遅えよ…。貴方達の目は節穴ですか?
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