第2話 孤児院

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 始めに、クルトが手本をみせようとする。彼は自身の前に両手を構えた。 「はぁぁぁぁ…! "フレイム=ランス"!」  彼の言葉が紡がれると同時に、彼の等身大サイズの炎の槍が出現した。その炎は強さこそは感じさせないが、厳然としてそこに存在している。  これが、これこそが魔法…。  ある意味、追い求めて来た幻想郷。  彼はその実在を目の前で証明してみせた。  その炎の明かりに照らされているクルトは、光源である、燃え盛る炎槍以上に輝いて見えた、と言ったら言い過ぎだろうか。  でも、彼は今、俺にとっての『ファンタジー』そのものを象徴する存在だ。そのくらい補正が掛かっても不思議では無い。  …神様?うん、確かにあの人もファンタジーだけど、それ以前にただの変人だった。  そんなことはさておき、まずは『俺』の訓練である。  で、絶賛練習中なのだが…。 「もういっかい! "ふれいむ=らんす"!…ふええええ、またしっぱいしたよおおぉ」  …この有様である。涙やら鼻水やらが出まくって、なんか色々と大変なことになった。  だいたい、三歳児だからね?できなくても可笑しくはない…はず。なんでだろう、自信無くなってきた。  まあそれは、アレだ、きっと俺がチートだとか天才系の携帯小説を読んでいたせいだ。  練習し続けて30分程になるが、まだ一度も魔法を発現させていない『俺』。  その状況を見兼ねたクルトは、先程から火の魔法ばかりを練習している『俺』に対して、他のものも練習してみてはどうかと提案してきた。  それを素直に受け止めた『俺』は、他の属性もやってみることに。
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