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ふと気付くと、俺は真っ白な空間に居た。
そこには物という物は何一つ存在せず、ただひたすら延々と、無機質な空間が広がっているだけだった。
どこだよ、ココ。
昨日の夜普通にベッドに入って寝て、目を覚ましたらこの有様だ。
訳が分からない。
理解に苦しむ突拍子もない状況について、俺は冴えない頭で色々と考えていた。
すると突然、なんの前触れも無しに、金髪の女性が現れた。
その女性は目を奪われる程の美貌だ。
全てを包み込むような暖かさ、大人びている落ち着いた雰囲気、そして溢れる妖艶さ。
本来なら矛盾するはずの魅力が、並列するどころか見事に混ざり合い、最早別次元のものへと昇華している。
これほどまでに美しい人を見たことがあるだろうか。
「篠原京平さん、ですね?」
彼女はダイヤモンドの如く透き通った碧い目で俺の目を見ながら、確認するような口調でそう尋ねた。
「はい、そうですけど」
何故俺の名前を知っている?
少し緊張気味に答えた。
「私はとある世界で主神をしている者です」
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