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『俺』はしげしげと彼の容姿を観察していた。
高身長でガッチリとした体型に、赤い目・髪・濃いあごひげなど、なんとも印象的である。
不覚にも俺は、おじさんと言われても仕方ないような、と思ってしまった。
だいたい『これでも』って自分で言ってる時点でほとんど認めてるじゃん。
「グリム兄さんと呼んでくれると嬉しいな」
「うん、グリムおじ…」
「だから、俺は、お・に・い・さ・ん!!」
強調してくるのが面白かったので、子供は皆ケタケタと笑っている。
思わず溜め息が漏れるグリム。
「はぁ…、子供達を注意してくれよ、ネリーさん。早くしなきゃ俺は完全にオッサンになっちまう」
「急がなくても、もうなってるじゃない」
ふふふ、と楽しげに微笑むネリーさんに、グリムは頭を抱えて撃沈した。
「そんなことより、早くごはんを食べなくちゃ。折角作ったのに冷めちゃう」
ネリーさんは頂きますという号令をかけ、皆がそれに合わせて頂きます、と言う。
ここ、異世界だよな?
ちょっと不思議だとは思う。
「ははは、どうせ俺はオッサンですよ…」
さっきの件でかなり凹んでいるグリム。
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