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「神様…?」
「はい。私の担当している世界は"アルテディア"と言います」
何か心に引っかかる。このパターンはどこかで見たことがあるような…。それも、ある種「お約束」とも言うべき何か。
その時、ある単語が俺の脳裏を掠めた。それは疑惑的ではなく、確信に近いものだった。
「まさか『異世界転生』しろとでも?」
「御明察の通りです。これから先、貴方には異世界で仕事をしてもらいたいのですが」
さっきまでは絶えず微笑んでいた神様だったが、ニカッと笑い、親指を立てて俺の質問に返答した。
あれ?なんでだろう、すごく残念だ。
でもまあ、俺のするべき反応は決まっている。
「よろしくお願いします」
即決。迷いなど微塵も感じなかった。
「…早かったですね。もう少し悩んでも…」
若干の戸惑いを露にしている神様。
いや、アンタが転生しろって言ったんでしょうが。
「いやいや、そこは『俺には残してきた家族がいるんだぁ!』とか言ってくれないと…」
ちゃっかり心を読まれたのはスルーの方向で。
そして、この神様ちょっと変だな。
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