第1話 The beginning of the beginning

3/7
前へ
/65ページ
次へ
「神様…?」 「はい。私の担当している世界は"アルテディア"と言います」  何か心に引っかかる。このパターンはどこかで見たことがあるような…。それも、ある種「お約束」とも言うべき何か。  その時、ある単語が俺の脳裏を掠めた。それは疑惑的ではなく、確信に近いものだった。 「まさか『異世界転生』しろとでも?」 「御明察の通りです。これから先、貴方には異世界で仕事をしてもらいたいのですが」  さっきまでは絶えず微笑んでいた神様だったが、ニカッと笑い、親指を立てて俺の質問に返答した。  あれ?なんでだろう、すごく残念だ。  でもまあ、俺のするべき反応は決まっている。 「よろしくお願いします」  即決。迷いなど微塵も感じなかった。 「…早かったですね。もう少し悩んでも…」  若干の戸惑いを露にしている神様。  いや、アンタが転生しろって言ったんでしょうが。 「いやいや、そこは『俺には残してきた家族がいるんだぁ!』とか言ってくれないと…」  ちゃっかり心を読まれたのはスルーの方向で。  そして、この神様ちょっと変だな。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加