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見たくないよ、そんなの。かなりグロそうだし、何より自分の死に往く姿を見るなんて気が引ける。
というか、何で俺はこの記憶がないんだろうか?普通、火事があって、それこそ自分が巻き込まれようものなら、少なくとも何らかの記憶が残るはず。
全く無いというのは異常じゃないか?
「さあ?私は知りませんよ。私にも分からないことはありますしー」
適当に逃げやがったぞ、神様なのに。全知全能で何でも知ってる、とかじゃないのか。
「はぁ…。私はいくら主神といっても、無数に存在する世界の中の一つ、そこしか担当していませんから。単純に規模が小さいのですよ。だから私の力も、貴方が思うほどに強大ではないのです」
ふーん、そうなのかー。
「で、俺の質問への返答は?」
たらたらと言い訳がましいので急かしてみた。こんな神様なら罰はあたるまい。
「むっ…なんか態度変わったような…。すみません、私にも何が起こっているのか分からないのです…。先程から原因の究明はしようとしているのですが」
神様はやや不機嫌そうでありながらも、同時に困惑の相も含んでいる。
結局分からず終いだったか。本当なら神様なのに何やってんのと言いたい所だが、一応努力したっぽいので、ここはそれに免じて許してやろう。
「なんか、立場逆転してませんか?」
「多分気のせいです」
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