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むぅっ、と言いながら不満げに頬を膨らませている神様は、容姿と相まって可愛らしい。
「褒めても何も出ませんから」
「褒めてもないですけどね」
売り言葉に買い言葉。
このまま俺の心の中を読んでも仕方ないと考えたのだろうか、溜め息を吐きつつ次の話題を振ってきた。
「では次に”アルテディア”についてです。といっても剣と魔法の世界、とでも言えば貴方は理解できるでしょう」
おお、テンプレな感じか。少なくとも馴染みはあるな、俺は結構そういう系のジャンルはよく読むし。
「そこに、貴方に三歳児の状態で行ってもらいます」
…幼すぎません?普通10代だったような気がするが。
「貴方に多くの経験を積んでいって欲しいのです。それも、若いうちに」
「それに拘る理由ってありますか?」
「そのうち分かります。頭では理解できても、体感を伴わないなら無駄になってしまうので、今は説明しません」
「そう、ですか」
そう言われてしまえば、無理矢理にでも納得するしかない。
「まずは一度向こうへと行ってもらい、雰囲気を体感してもらいます。設定は親に捨てられた孤児です。したがって、暫くは孤児院で生活することになります」
孤児、か。
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