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太陽が顔を出そうとし、鳥たちが囀っている中、俺は目を覚ました。
起きてみたのはいいのだが、まだ朝早い為に何となく肌寒い。
で、起きた俺はそっと布団をどかし、スクッと立ち上がる。ここまでに俺の意思は含まれていないので、どうやら本当に『三歳児の俺』が勝手に動くらしい。
次はどんな行動をするのか…。そんな俺の興味をよそに、体は欠伸をしながら、部屋の出口を目掛けて歩き出した。
その間、視界に入る風景を観察してみたが、なかなかに内装が荒れている。
木造の壁はボロボロで薄汚れており、隅は黒ずみやカビ等が目立つ。もちろん、天井に電灯などあるはずも無い。
静かな寝息をたてて寝ている他の幼い子供たちを避けながら歩く『俺』であったが…。
栗色のショートカットの女の子の横を通り抜けようとした時のことだった。
不意に体が沈む感覚。足下からは木が折れる音。揺れる世界。目線は当然下へと向かう。
そこで気付いた。
抜けたのだ、床が。
そして俺は床下の、石の平面に勢いよく叩きつけられた。
あまりの驚き、さらに後から後からやってくる鈍痛。頭をぶつけなかったのは不幸中の幸いであったが、それでも痛いものは痛い。めちゃくちゃ痛い。
驚きによって心臓はフル稼働し、痛みによって眠っていた頭が極限まで冴える。
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