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チラッと縮こまってる速水を見る。すると怯えたように小さく悲鳴をあげた。
チッ
振り上げた拳を下ろし落ち着かせる。
「そういうのは早く言えよ。」
「間髪入れずに殴りかかられたんですけど!?」
細かいことをいつまでもうるさい奴だ。
無言で睨むとようやく黙る田中
未だに立ち上がれないようだが俺には関係無いし、手を差し伸べるほど優しくもない。
第一早く帰りたい。
それに貴重な昼寝の時間を潰したんだから当然の報いだ。
少しの間沈黙があったが痛みを堪えるのに必死な上に本当に話は終わりらしい。
もはやこの場に居る必要も無いので当初の予定通り帰ることにした
「じゃあな、田中。」
背を向けたまま別れを告げる。
「…だから田中じゃねぇって。」
田中がそう言った気がした。
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