3人が本棚に入れています
本棚に追加
「もうあの夢も十年見ていりゃあなれるよな」
この夢を見始めたのも今から十年前からだ
自分でもなんでこんな夢を見ているのかもわからない
それに、何でこんな夢なのかもわからない
でも、その夢は
───日に日に、本物に近づいている気がする。
でもそれももう何年か前からのことだ
人っていうのは恐ろしいな
慣れてしまえばそんなことどうでもよくなってしまう
俺は、そんな人間のように慣れてしまった
「はぁ...っていうか、今何時だ?」
そうつぶやくと、俺は時計に目を移した
「俺は、きっとまだ夢を見ているんだろうな。
きっとそうだ、うん。」
そう思いたいぐらいだった
なぜならその時計は登校予定時間を過ぎようとしているのだから...
「いやいや、ははは、これもリアルなあの夢と同じだろ。
イヤー、サイキンハコウイウユメヲヨクミルナァ~」
「ちょっと!早く起きなさい...ってもう起きてるなら早く降りてきなさいよ!!
私まで学校行けないじゃない!!!」
そんな隣家にも聞こえそうな怒鳴り声が聞こえた
そのとき俺の目の前に立っていた茶髪がかったポニテの少女が腕を組んで立っていた。
彼女の名前は日暮 春(ひぐれ はる) 俺の幼馴染だ
「よお春、なんでお前は俺の夢の中にいるんだ?」
「はぁ...まだ夢だと思ってるの?明星?」
そうだった、俺の名前を言ってなかったな。
俺の名前は 大門 星明 (だいもん ほしあき)
とある高校に通う高校生だ。
春も同じ高校の隣のクラスにいる。
ちなみに夢を見出したのは...
「今から十年前だから七歳のときか...」
「は?なんのはなし?もしかしてまた夢のはなし?」
「ん?あぁ、また見たよ、たまにはほかの夢も見たいな」
「遅刻寸前にそんなことどうでもいいわよ
朝ごはん食べるの?」
「いや、もう時間も時間だしもういい」
「じゃあ弁当にたくさん入れとくね、たくさん食べないと」
こいつが俺の家に来て飯やら何やら作ってもらってるのは
俺の親がもう何年も前に亡くなっているからだ
しかし、俺の親が死んだのも自業自得な死に方だとは思うけど
まぁそういうことで、俺は春に飯を作ってもらっている
最初のコメントを投稿しよう!