*転校*

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にしても、今日から通う学校、私馴染めるかな? だって、日本でも有数の超お金持ち学校でしょ? やっぱり私みたいな人間には合わなそうだもんね。 それに、5月の転校生とか明らか目立つだろうし。 私が1人考え込んでいると、上から声が降ってきた。 「…だったらやめるか?」 「えっ?」 読心術!? 「全部声に出てる。やめるか?」 いきなり真剣になった。 …もう、心配性なんだから。 「大丈夫。ってか、やめないよ。輝瑠、心配しすぎ」 「俺だけじゃない。みんな心配してる」 呆れ顔だけど、心配そうに黒い大きな瞳で私を見てくる輝瑠。 みんな、か。 天華(てんか)のみんなのことだろうね。 ちなみに、天華って言うのはうちのチームの名前。 暴走族“天華”の総長なんです、私。 メンバーはたったの10人。 だから、ほとんど役職は関係ない。 みんな同等だ。 ところで、そんなに私は頼りないかなぁ? まぁ、確かに精神おかしくなりかけたけど、もう大丈夫のはず。 みんなのお陰で。 「…みんなにも言わなきゃね。もう、私は大丈夫」 言いながら私は、輝瑠にバレないように失笑した。 私は最低だ。 みんなが心配してるのはそんなことじゃないって知っているのに。 でも私は、みんなの期待に答えられそうにないや…。 ごめんね、みんな。 .
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