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少し話をして、電話を切った。
「…あー、りぃ。ここ、見た目と全然違うから気を付けろよ」
「気を付ける?何に?」
いきなり話しかけてきた雷斗の目は、とても真剣な光を灯していた。
「ここ、真面目なお坊っちゃま、お嬢様の通う学校に見えるだろ?」
「うん。そうだね」
実際そうじゃないの?
だって、アイツが通ってたんだ。
アイツは、真面目でいかにもお坊っちゃまらしかった…。
「実際は違う。…男子の方が多くって、男子はほとんど全員がぼ--」
「失礼します」
雷斗の言葉を遮って入ってきたのは、若い男の人だった。
雷斗と同い年くらいかな?
この人もかっこいい。
黒髪がよく似合うよ。
モテるだろうなぁ、頭がよくてかっこいい人って。
それよりも、何だったの?
気になるじゃない、タイミング逃したけどさ。
ま、いっか。
ここにいれば、嫌でもわかるだろうし。
雷斗はドアが閉まったのを見届けると、さっきの話を止めて、先生の紹介をした。
「りぃ。彼が君の担任の上野 尚樹(うえの なおき)先生だ。りぃは1-Aだから」
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