プロローグ

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「バキッ!ゴキッ!ガン!ゴッ!」 とあるラブホテルの一室。 その部屋で嫌な音が響き渡っていた。 まるで硬い物を何度も何度も叩き続けるような不快な音。 「ビチャ!」 その合間に水溜まりを踏んづけたように水のようなものが跳ねる。 その水はベッドのシーツに壁に、部屋の様々な所に赤黒い染みを作る。 それは血だった。 その血は部屋のアチコチに染みを作り部屋を彩る。 「ボゴッ!ビキキ!」 何かが砕けた。 木が折れるような乾いた音が聞こえる。 音の発信源のベッドの上。 そこには二人の男女がいた。 いや二人と言っていいのだろうか。 正確には男と肉塊というのが正しいのかもしれない。 ベッドのシーツは元々の白が完全に赤に変わっている。 その上には女………と思われる肉塊。 そしてその上に馬乗りで両の拳を振り下ろし続ける男の姿。
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