第二話 ~希望と夢~

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◇ 「着いたよラグ、…でも…本当にいいの?ラグ?」 「うん、ありがとコナー」 ラグは馬車から降り、ついでに俺も降りる。 「リクさん?」 「俺も久し振りに会って来る、先に帰っててくれw」 軽く笑いながら言うとコナーがラグに申し訳なさそうに言う。 「ラグ…黙っててごめん、シルベットによろしくと伝えてよ…」 シルベットと言うのはゴーシュの妹であり、足が動かず、原因は不明。ゴーシュは足を治すためにテガミバチの仕事を頑張っていた。 その妹、シルベットにラグは会いに行く。 俺がラグに家を教えながら歩いて行き、馬車の方のザジは不機嫌そうな顔で言う。 「ケッ、返事もしやがらねーアイツ」 「仕方ないよ…」 コナーはぐすっ、と鼻をすする。 「シルベットの為にゴーシュは首都で頑張ってるから、って…自分も負けない様にって…、一日も早く帰るゴーシュさんに追いつきたい一心でラグは頑張っていたんだ…」 再びぐすっ、と鼻をすすり、涙を拭う。 「僕は言えなかった…『こころ』からゴーシュさんを信じてるラグに僕…ずっと言えなかったよ…」 するとザジの報告から小さな小包が投げられ、コナーの頭に直撃する。 「いてっ…ザジ!?」 「弁当の余りやるよ!ちゃんと片づけとけよな!行くぞヴァシュカ!」 ザジは馬車から飛び降り、続いて黒豹のヴァシュカも飛び降りる。 「行く…ってどこに?」 「ハチノスに決まってんだろコナー・クルフ!」 「なんで?あとで一緒に戻れば…」 「いいから、オレら先に戻るからあいつに謝っといて」 「は?」
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