ある冒険家の手記

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グンマー。 不思議な力に守られたその土地は謎に包まれ、その存在を知る者も少ない。 密林に囲まれたその土地に入るものはいない。 彼の地には伝説がある。 と、言ってもそれはどこかの土地に伝わる神話と言ったような伝承の類ではない。 現地民にとっては当たり前のこと。しかし外の人間からすれば堪ったものではない。 曰く「竹槍の投擲で戦闘機を打ち落とす」曰く「一応日本なのに気温が50度を超える」。 そんなもの眉唾物だ。 そんなことはありえない。 グンマーの存在を初めて知ったものは、皆口を揃えて言う。 だが、ソレは存在する。 私は見たのだ。 川幅の広い「トネガワ」を埼玉(グンマー側呼称:ダサイタマ)側から舟で渡ったその先には前人未踏の密林が広がっていた。
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