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数十分後戻ってみると、ラボを出る前と同じ体勢で彼はまだPCの前に居た。
自分の左手には先ほど渡されたカップと反対には自分の為に淹れてきたものが二つ。
「淹れてきた。」
「ん。」
「飲め。」
カップを差し出しても一向に受け取る気配の無い相手に少し口調を強めて目の前に差し出す。
やっと受け取ったマグカップの中身を見て彼にしては珍しく目を丸くし、今日ここに来て初めてこちらへ顔を向けた。
「これはなんだ?」
「ミルク。」
「それは見ればわかる。」
わけがわからないと言った顔をする彼に思わず笑いそうになるのを素知らぬ顔で自分のマグカップに口をつけて誤魔化した。
一気に機嫌が降下していくのを、肌で感じるが知ったことではない。
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