燻ぶる。

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何時来ても代わり映えのないそこはやはり冬でもいつも通り閑散としていた。 多様な機械がところ狭しと置いてあり、その多くが起動中なようでモーター音が微かに鳴っている。 自分には縁遠いものばかりで何に使うのか皆目検討もつかない。 しかしどれをとっても彼には大切なものなのだろう。 手短なものを壊してみれば…一体どんな反応を示すだろうか、彼の眉間の皺がまた一つ増えるかもしれない。 なかなかに愉快な発想ではあったが、実験が長引くのは自分にとっても利益ではない。 ここのラボも含め警護を任さ れているため、実験が終わるまでは否応無く離れるわけにはいかないのだ。 そろそろこの場も見飽きてきた。 田舎暮らしに憧れを抱いていた時期もあったが、こう何も無いとやはり自分は治安の悪いあの空を塞ぐミッドガルでの暮らしが肌に合っているのかもしれない。 彼女と離れる事に一抹の寂しさが沸いてはくるが、だからこそ早くこの任務を遂行して、もとの日常を取り戻したいと思う。 そう、思っているはずだ。
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