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「美味い…たまにはいいものだな。」
これは本心だ。
この状況下で彼と煙を燻らせながら語らうということに自分は気をよくしているのだから。
そして確信に近いが、それは自分だけではないという事にも。
―――酒に酔うより厄介だな。
この空気に当てられ酔ってしまったのだから、まだまだお互い若いものだ。
まったく今日は愉快になることばかりで調子が狂う。
まだ半分も吸っていないにも関らずそれを灰皿に押し付けて、変わりにと言わんばかりに口付けた。
苦いメンソールの味。
「実験どころではなくなったな…」
溜め息混じりに聞こえた小言は聞き流した。
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