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★少女side
「……ぁっ!」
そして、木の陰から現れた『ガキ』は、白髪金眼……いわゆる【ヒトモシ】の少年だった。
この、奴隷商人達に誘拐されたボクにとって、彼は正に天からの助け船。
ボクは思わず、心の底から声を発しそうになり……何とか飲み込み、うめき声だけに留める。
……彼の邪魔だけはしてはいけない。
お願ぃ……助けて……っ。
「おいおい、ヒトモシかよ!」
「ヒトモシのガキごときが、俺達の楽しみを覗くなよなぁ!」
「……ちっ」
あからさまに嫌そうな反応を返す商人達の男。……ボクが何をされるのか、考えたくもない。
そんな中、彼に炎を放ったをした赤髪男が彼に言葉を投げかける。
「おい!ガキ!命が惜しけりゃ、さっさとここまで来い!さもねぇと……コイツがどうなっても良いのかぁ!?」
その直後、数人の男達に捕まり、その内の一人にナイフを突き付けられる。
なっ……!?ボクを人質なんて卑怯だよ!!これじゃ……。
……そして、彼は若干戸惑った様に頭を振り動かし……あぁ……走りだす。
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