1ターン・そんなの認めないーー認められる訳ないっ!

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驚いて思わず目をぱちぱちさせている私の顔を、不意に誰かが覗き込んだ。 「す、すみません……驚かせて、しまいましたか……?」 手を膝にやって屈むようにして私を見ているのはーー小さな女の子だった。 女の子は首を傾げながら眉をハの字にして、不安そうにしている。 「えっ、えっと……?」 状況が理解出来なくてただ瞬きを繰り返す事しか出来ない私に、その女の子は躊躇うにおずおずと手を差し伸べた。 「あ、ありがと……」 お礼を言ってその手を握り返した私は、彼女の手を借りながら立ち上がーーれなかった。 …………。 いや、別にまだ私が腰を抜かせてたから立てなかった訳じゃないわよ? 「んー……よいっしょーーううー……っ!」 女の子が必死にーーそれこそ顔を真っ赤にしながら、かなり全力でーー私の手を引っ張っている。 でも、全く引っ張られている私の身体が持ち上がる感じがない。 誤解がないように言っとくけど、別に私の体重が重たい訳じゃないからね? ただ単に、目の前の女の子が驚くぐらいに非力なだけだからね!? 健気にも頑張って引き上げようとしてくれてる女の子を見て、私は苦笑の混じったため息をつく。 「ありがと、でも1人で立てるから大丈夫よ?」 ちょっと勢いを付けてから、ひょいっと立ち上がる。 そうして私がスカートに付いた埃を払うために女の子の手を離すと、今度は彼女の方がヘタリこんでしまった。 「はぁ、はぁ……つ、疲れ……まし、た……もうダメ、です……」 ぜぃぜぃと肩で息をしながら、酸欠気味なのか目を回している女の子。 ……いやいや、どんだけ運動不足なのよこの子?
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