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ちらっと女の子を見てみるけど、顔を俯けたまま視線を地面にさ迷わせてる。
うーん……ここはとりあえず私の方が年上何だし、こっちから話し掛ける努力はするとしましょうか。
「えっ、えっと……私、湊沙耶っていうの。貴女の名前とか聞いてもいい……かな?」
すると女の子の顔がバネ仕掛けのオモチャみたいに跳ね上がって、慌てた様子でコートのあちこちをまさぐり始めた。
「えっと、えと……あ、あれ?ど、どこにしまったんだっけ?た、確か……このあたりに……」
身体のあちこちをぱたぱたごそごそと探した結果、女の子はどうやら首にかかっていたらしいモノを服の中から引っ張り出した。
それを私に見せながら、彼女はおずおずと口を開く。
「えっと……は、初めまして……湊沙耶さん。あなたの魂を導く役を担当させていただきますーー死神DH5896、スィンと申します」
……は?
ちょ、ちょっと待って……この子、何言ってんの?
突然の不思議ちゃんセリフに混乱する私に構わず、女の子ーースィンは深々と頭を下げた。
「ふ、ふつつか者ですが……せ、精一杯頑張りますので!、よよよろしくお願い……いたしますっ!」
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