3人が本棚に入れています
本棚に追加
「そ、それなら……うんしょ、えやっ!……はぁ、はぁ、これで……どうですか?」
肩で息をしてながらもスィンが得意げに示したモノを見て、反射的に頬が引きつるのを感じる。
それは……さっき見て腰が抜けてしまう程に驚いた骸骨ーーの装飾が施された鎌だった。
それは小柄なスィンとは反比例するかの様に巨大で、私でも見上げないといけないくらいだ。
柄も鋭く研ぎ澄まされた真っ黒な鎌は装飾も手伝って異様な威圧感を出していて、私の喉は自然と唾を飲み下していた。
「た、確かにこれは……何て言うか、随分といかにもって感じのアイテムが出てきたわね」
さっき取り乱した事の恥ずかしさに声が上ずりそうになるけど、何とか抑え込む。
そんな私を見てスィンはふふん、と満足そうにその胸を張った。
「わかっていただけ……ましたか?この通り、スィンは正真正銘に立派は死神ーーあっ、やっ、ひゃわっ!?」
それに合わせて元々ぐらぐらと不安定だった巨大な鎌は、そのまま後ろへと倒れてしまう。
同時にしっかりと鎌の柄を握っていたスィン自身の身体も、引っ張られて後ろ側に転んでしまった。
ゴンッ、と言う鈍くかなり痛そうな音が聞こえた。
「…………………………」
スィンは両手で後頭部を押さえながら、言葉もなく小さく縮こまってしまう。
最初のコメントを投稿しよう!