0ターン・ぷつんととぎれた

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「とりあえずおはよ、沙耶。いやだってさ、普通に考えて何もないのに薄笑い浮かべて高校生を眺めながら歩いてるなんて完全に危ない人よ?知り合いじゃなかったら通報してるレベルで」 「ちょっと待ちなさい、人が感じて当然の優越感に浸ってただけなのにその言いぐさは失礼をだいぶ越えてるんだけど!?」 だんっ、と脚を踏み鳴らしながら私が詰め寄っても、凜夏の態度は少しも変わらない。 彼女はやれやれと首を振りながら、肩をすくめる。 「……っていうか、そもそもな話その『感じて当然の優越感』っての何なの?」 「私ってば今日もバッチリ可愛くて、ただ歩くだけで道行く人の視線を釘付けにしちゃってる?やっぱり私の可愛さって罪なレベルなのねーーって感じの優越感」 聞き終えた凜夏の顔に、微妙な表情が浮かんだのが分かった。 ーー他人の事を小馬鹿にしてるのと、哀れんでいるの中間くらいの表情で凜夏小さく笑う。 「いい外科医の先生を知ってるから、今からでも間に合うから行ってきたらいいと思うけど?」 「……一応聞いといたげるけど、どういう意味なのかしらね凜夏さん?」 「『脳を弄ってもらったら沙耶の思考も、もう少し一般人くらいにまともになるんじゃない?』って意味よ、沙耶ちゃん」 それが耳から入って脳に達するのと同時に、鞄を握っていた私の拳が翻った。 反射的に風を切る勢いで繰り出したその1撃はしかしながら、凜夏にあっさりとかわされてしまう。
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