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穂乃架「…もしもし」
?「…久永穂乃架だな?」
声からして30代の男。
もちろん、そんな知り合いに心当たりはない。
仮にあったとしても、あたし自身も相手も知ってるはず。
でも…。
穂乃架「…どちら様でしょうか?」
男「お前の友達は預かった」
穂乃架「!?」
ディスプレイを見たときから嫌な予感がしてたけど、まさか本当にビンゴだったなんて…。
男「返してほしかったら今から言う暗号を解け」
穂乃架「暗号だと?」
暗号までつくってるなんて。
ずいぶん暇なのか、あたしで遊んでいるのか。
まあ、両方だろうけど。
男からの暗号はこうだ。
"いくつも立ち並ぶ無数の箱。
そこから見える左のシ。
右には八つの口があり、そこから数えて東に五つと南に七つ。
もう一つおまけに南に三つと東に十。"
あたしは何とかその暗号とやらをメモ帳に書き留めた。
電話の向こうから、男の声が耳朶を打つ。
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