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「ニィ…。だめだ…もう耐えらんねーっ!」
ガバッッと一瞬にして俺の身体を下側に倒れこませた
長いキスをした唇がそのまま滑らすように首筋に移動し、舌を上下に這わせて止まる度に口で吸い付いてきた
「て、テツ……っ…ハァ…」
テツの後頭部を優しく撫でるように動かしながら吐息混じりに声が漏れる
目の前が更にクラクラする…
これが風邪の影響なのかそれとも快感から来るものなのかなんてもうどうでも良い…
テツが…テツが欲しい……!
「テツ…お願い…ずっと…ずっとそばに…いて……?」
俺の口から出てくる言葉の断片を聞いたテツはいたずらっ子のようにニィーッと顔をほころばせ俺の唇に強く吸い付いた途端、パッと口を開けて唇を解放した
「その言葉が聞きたかったんだよ。んーっ!ニィーッッッ」
今度はテツが俺の顔の横に顔を埋めて、小動物が甘えるように左右に小刻みに振った
「ぅわっ!テツ…くすぐったいよ」
顔や首筋にかかるテツの柔らかい髪の毛があまりにくすぐったくて思わず笑みがこぼれてしまう
「ニィ、一緒にいるよ。んでもって今日は寝させてやんない♪」
「えっ?なにそれっ?俺、風邪ひいてんだぞっ」
「そんなのしーりませーん♪」
―――――――――
まぁ、そんな感じで…
テツは朝まで本当に寝させてくれなかった
そして俺は初めてのキスと貞操を同時に失った
でも嫌じゃなかった
今テツは尽き果てて俺の横で眠っている
その寝顔がなんともいとおしくて無意識に笑顔になる
これからもずっと一緒だよ…?
ね?テツ…
「…ふ、ふぇっくしゅん!!あー…んー…」
ふふっ♪風邪決定だね♪♪
おしまい
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