存在しない ≪前≫

19/27
前へ
/63ページ
次へ
幸谷は体が小さい。 それは、この物語の始章で述べた通りだ。 高校1年生にして155センチの彼は、その童顔も相まって、見た目は完全に中学1年生である。 そのためかはわからないが、彼は大人びた雰囲気の衣服を好む。 そして今回も、真っ先に手に取ったのは黒色のスキニーパンツだった。 「身長低いから、毎回裾あげしなきゃだけど……」 値段は4000円近いが、丁度セールのようだ。 およそ3000円にまで値下げされている。 迷わずそれに決定した。 さて、次に上に着るものだ。 「…とりあえずジャケット欲しいけど、あれは値段張るからな……ま、今回は家に帰るまでだし、安いけどこの先も使えるやつを選ぼうかな」 ということで、その後、 普通の白無地の長袖、青のシャンブレーシャツを選び、兄に託した。 「あれ、値段見なくていいって言ったのに……。 これでいいの?♪」
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加