存在しない ≪前≫

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---◇-----◇-----◇-----◇--- 「う…ん……なんか、変な感じ」 「そう。 まぁ、私も初めてのつけ心地はそうだったわ。 でも大丈夫よ、肝心の乳首はもう浮いてないわよ?」 「お、お母さん!」 美しく、仲睦まじき親子が、相も変わらず少しピンクな会話を繰り広げる。 全く、この整った顔の母親からは想像もつかない。 「ふふふ、本当にからかい甲斐のある子ね……可愛い」 「も、もぅ……いい加減、私だって子供じゃないんだからね?」 「わかってるわよ、そんなの。 ………たぶんね」 「たぶんじゃ困るのだけど………」 「大丈夫よ、来年はあなたも16になる。 坂九楽高校に入学して、ちゃんといい彼氏作って、ある日シーツの上で熱く大人にな」 「ちょっと?!」 「何、想像しちゃった?」 「え、いや、それは……」 正直に言えば、たしかに少し想像してしまった。
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