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「それにしてもこんな雨の中、来れるのかなぁ…タオル用意しとこ」
確か予備のタオルがあったのを思い出してカバンを漁る
「ほらぁ♪やっぱり智恵気になってんじゃん」
隣で奈々は喋り続ける
ピンポーン
ドアのチャイムが鳴った
「はいはーい!今あけます!」
奈々…反応はやすぎ(笑)
ガチャッという音と同時に入ってきた人物を見上げた。
「こんちは」
ドクッー
私より10センチぐらい高い身長
雨に濡れた髪に低すぎず高すぎない声色
なんだコレ
動悸が早い
「あ、来た!君が桑島俊輔くん?」
桑島くん…って言うんだ
彼の制服は地元でも有名な工業高校の制服だった。
「はじめまして!私、滝沢奈々です!あ、そっちは鈴木智恵。二人とも俊輔くんと同い年だよぉ!よろしくね!」
初っ端からマシンガントークの奈々に対して、まだ一言も喋ってない私…
とりあえずなんか言わなくちゃ…
妙な緊張感の中一生懸命頭をフル回転させて言葉を考える
「あ、あの…タオル…」
さっき予め渡そうと思ってたタオルを手に取る
「鈴木さん…だっけ?いいの?俺、かなり汚れてるけど…」
ドクッー
名前呼ばれただけなのに、凄く胸がキュゥっとなる
「いい!てか、あげる。私、それ使わないし!も、持ってて!」
うわー…すごく無愛想な感じだ私。
第一印象悪いかも。
ってなんでそんな気にしちゃうんだ…
「さんきゅ。今度お礼するよ」
隣で奈々が私も!と騒いでいたけど桑島くんの声が頭に残ってて何も考えらんない
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