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お疲れ様でしたー!
もう体育館の外は 真っ暗
夏に比べると日が落ちるのも早い
昼間と違い 暗くなった学校は やっぱり なんだか不気味
早く支度して 帰ろ!
慌てて制服に着替え 玄関に向かう渡り廊下を通ると 同じクラスのいわゆるヤンキー という部類に入る男子達が 中庭でじゃれあってるのが見えた
普段は めったに話したりはしない人達だけど その中の一人と目があってしまい 気まずくて つい 頭を下げた
そして 急いで 玄関に向かおうとすると
「高木さーん」と後ろから声がして
振り返ると ヤンキーグループの一人の飯島が追いかけてきてる
「なにー?」
「高木さん 飴 あげる」
「え いいよ」
「いやいや どうぞ」
「えー いらない」
「いやいや クラスメイトじゃないですか 食べてくださいよ」
なんだか 教室にいるときとは違い
フレンドリーな雰囲気に流され つい
「じゃあ・・・」 と 手を差し出すと
すごい笑顔で 飴を手の平に優しく渡す
落とさないように 添えられた左手が やけに温かい
(なんなんよ もう)なんだか 照れ臭くて すぐ 袋をやぶり、飴を口の中にほうり込む
すっぱ・・・・
「うぇーい!! 高木さんのが 当たり! 俺 セーフ!!」
一生懸命 中庭に 合図を送る飯島
「え なに? どういうこと?」
飯島は 満面の笑みで ポケットから 飴を出した
「いや 当たりが すごいスッパイ飴なんだけどさ あと 残り二つだったから 高木さんに 当たるかなと」
くだらなー・・・
「でもさ あれだよ うん! 当たりを引くなんて 高木さんは スゲーよ!
ラッキーガールだよ 」
そう言ったあと 中庭の仲間のもとに 笑いながら戻る後ろ姿を 呆気にとられ 見送る
なに アイツ ばっかじゃん!
だけど・・・
なんか ちょっと 面白い奴
まだ 手に残る 飯島の手の感覚が すごく すごく くすぐったかった
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