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チャラララ~
携帯の着信音が鳴る
「あっ・・・」
かなちゃんが 慌てて 携帯を持って トイレのほうに向かう
「はい 大丈夫です 時間 きちんと見てます はい・・・ ごめんなさい
大丈夫です きちんと行きますから・・・」
携帯を切り ホールに向かおうとすると「彼氏か?」 と 声をかけられる
びくっとして 後ろを見ると 飯島君が ソファーに 横になっていた
「ど どうしたの? まさか お酒・・・?」
「ばーか んなわけあるか」
飯島君は 子供みたいに笑った
「さすがに 食い過ぎた
あいつの母ちゃん すげえ 食え 食え言うからさ~」
「あはは すごく たくさん お料理 用意してくれたみたいだもんね」
「だろー? だからさ 残しちゃわりぃからさ めちゃめちゃ がっついてたけど ちょっと 途中で 苦しくなってさ」
「飯島君 優しいんだね~」
「いや 家さ 親 離婚してて 親父と暮らしてるからさ 家庭的な料理なんて なかなか 食えないから こんな時に 食いだめしとかないと」
「そうなんだ~ 全然 知らなかった じゃあ たくさん 今日 食べておかないとね~」
飯島君が 吹き出す
「お前 面白い奴だな~
えー 離婚とか 可哀相~ とか言わないの?」
「えー 飯島君 可哀相に見えないよ~ 毎日 楽しそう」
「おう 別に 可哀相じゃねえよ
そりゃ 昔は 母ちゃんいないのは きつかったけど いまは もう逆に うるさいおばさんが 家にいなくて気楽な毎日だしな」
「うん だから 別に 可哀相なんて 思わないよ」
「そうか やっぱり 面白いな お前 んで なんでトイレで携帯? やっぱり 男か」
「違うよ~ 今日 塾の日だから 忘れないように って お母さんから」
「そうか そんなもん うるせー 分かってるよ って 切れ」
「あはは そうだね~ 次 かかってきたら そう言う~」
「あ かなちゃん! なんか 優子が かなちゃんがいない って探してたよ」
「いけない~ 私 あっちに行くね
またね~ 飯島君」
「ああ じゃあな」
しっかし あいつ 本当 面白い奴だよな
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