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「ごめんね~ 優子ちゃん 家から 電話だった~」
「ううん それより あれ かなちゃんの お兄ちゃんじゃない?」
喫茶店は お店の中からは 外の様子が見れるけど 外からは 中の様子が見えないようになっている
マスターが あまり外から 丸見えだと お客様が落ち着かないだろうから という気遣いで そうしたみたい
「ね? お兄ちゃんだよね」
美樹も心配そうに言う
確かに あれは お兄ちゃんだ
マスクして 帽子被ってるけど あの独特な歩きかたは 間違いない
お兄ちゃんらしき その人は お店を 何回も覗こうと うろうろしている
「かなちゃんに 用事があるんじゃない?
声 かける?」
「・・・・ ううん 本当に 用事があるなら お店に入ると思う 大丈夫・・・」
「そう?」
こんな寒い日に ずっと お店の外にいるのは 可哀相だけど かなちゃんが いいというならいいか・・・
ずっと お店に入らず キョロキョロする かなちゃんのお兄ちゃんを 美樹は ちょっと可哀相に思いながら しばらく見ていたけれど
ビンゴや 一人一芸のお楽しみの時間が始まり 次第に そんなこと 忘れてしまっていた
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