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静音の母、鈴音(すずね)は、2歳の頃真冬の街で うずくまっている所を、万亀の人間に拾われて育てられた娘だった。
外国人の血が入っているのか、肌の色は 抜けるように白く、髪は薄い茶色で、瞳は美しいブルーだった。
万亀の家族は、彼女を溺愛したが、鈴音は自らエスコートとして働くと言い出した。
反対をしていた家族だが、鈴音の固い決意に負け、渋々エスコートになることを了承した。
しかし、なるべく質の良い客を 鈴音に担当させたいと言う思いから、元華族の東条家の当主を 最初の相手にさせた。
その後、彼女の美しさと気品に、指名するVIPが多く、たちまち人気はトップになった。
その頃、妻を病気で亡くしたばかりの東条家当主が、是非 鈴音を後妻に…と申し出た。
万亀の家族は、いつまでもエスコートをやっているより、結婚して幸せになって欲しいと思っていた。
鈴音も、何度か東条の相手をするうちに、彼の人柄に惹かれはじめた。
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