東条和弥

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   静音が入院した日の午後、今まで東条和弥として育ってきた離れの屋敷から、本宅に移ることになった。  和弥は、まだ2歳で なにも理解出来ていなかった。    父に抱かれ 初めて本宅を見た。    「ぱぱぁ、大きなお家ねぇ。」  「今日から和ちゃんも、パパと一緒にここに住むんだよ。」  「ふ~ん。」  屋敷に着くと、使用人が扉を開けた。  真弥に抱かれた小さな男の子を見て、思わず 「まあ!!」 と、声をあげてしまう。  真弥に抱かれている小さな男の子は、天使のように可愛らしかった。  そんな使用人を見て、真弥も満足気であった。  静音にそっくりな、息子を溺愛しているのだから。  玄関ホールに着くと、和弥を腕から下ろし、一緒にリビングの扉の前に立った。  
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