act.4

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「……ゴメンな」 「──っ」 「……行こ」 「……うん」  謝る声が切なくて。その顔も瞳も痛いほどに苦しそうで。  息がしにくいような錯覚を感じてから、緩く首を振る。 「…………明」 「……うん」 「……オレ……」 「……うん」 「オレ、は……」  隣を歩くアイツの緊張が感染ったみたいに体が強ばっていく。 「……オレは……」 「………………──オレ」  このまま聞いていると泣き出しそうで。  訳も分からず口を開いた。 「結人のこと好きだけど……それは違くて……。だけど、好きだし……でも違うから……」 「あきら……」 「──どうしてっ」  涙声で呟いた。 「どうして、そんな風に……」 「ごめん。……でもオレは明が」 「違う」  言葉を遮ってから、痛そうな顔をする結人から目を逸らして俯いた。 「どうしてそんな…………オレより傷ついた顔すんの?」 「っ……」  隣で、息を呑む気配。  それには構わずに言葉を続ける。 「ズルイよ結人は。……オレ……オレが、嫌だなんて言える訳ないじゃん」 「明……」 「ズルイよ……なんで……。……オレより傷ついた顔すんなよっ……」 「あき」 「あんなこと急にされて! ビックリして……っ……どーして嫌じゃないんだよっ」 「…………明?」  思わず悲鳴のように吐いた台詞に、結人の声の調子が変わった。  けれど、それに気付く余裕もなく、 「オレはぁ……今のこの……こーいうのがぁ……好き、なんだよっ。……ゆーとが隣りにいんのなんかもう……当たり前だし……。いない方が……調子狂う、し……もう……訳分かんないっ」  苛々と呟けば、結人がそっと笑うのに気付く。 「……結人?」  ムッとしながら呼べば、ごめん、と呟いてから、くしゃ、と笑う。
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